ディスプレイやLEDなど発光物体に対する効果

本製品は印刷物や看板など反射物体の観察を想定して設計しています。CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、発光ダイオード(LED)などの発光物体の場合、正しい効果が得られないことがあります。これらの発光物体に対してお使いになる場合は、以下の説明をよくお読みになり、ご理解の上ご利用ください。

CRTディスプレイやブラウン管型テレビ

  • あるCRTディスプレイに対して本製品の効果を検証した結果、印刷物を対象にした場合より、P型に近い色覚特性を模擬することがわかりました。ディスプレイやテレビは製造メーカーや機種によって特性が異なるため一概には言えませんが、一般的なCRTディスプレイやブラウン管型テレビで同様の効果が得られるといえます。申し添えますと、P型とD型の色弁別特性はよく似ており、見分けにくい色の組み合わせも似ているため、P型寄りの特性にはなるものの、色弱模擬の効果が大きく損なわれるものではない、といえます。CRTディスプレイやブラウン管型テレビに本製品を使用される場合は、P型寄り、すなわち赤色が暗く見えすぎる傾向があることをご承知おきください。

発光ダイオード(LED)

  • 単一波長光を発するLEDの場合、波長によってはフィルタで光を完全にカットされてしまいます。このことは、色弱者がLEDを見た場合よりも、暗くあるいは全く見えなくしてしまうということです。演色性の高い(分光特性が広帯域)のLEDの場合はあまり問題ありませんが、単一波長(分光特性が狭帯域)のLEDに対しては、光がカットされすぎる、すなわち暗く見えすぎる場合が生ずることをご承知おきください。

    ※LEDの色(色度と輝度)をパソコンのディスプレイで正確に表現することも今のところ不可能ですので,PCのプログラムによるシミュレーションでも正確にはできません。LEDの光に対して色弱を正確に模擬するツールは今のところ(2007年4月現在)存在しません。これも研究レベルの段階です。

(検証: 高知工科大学 篠森敬三研究室)



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