同意事項についての詳細

何故色覚特性が自分自身にわかってしまうか?

 このフィルタの色の見え方を変化させる効果が大きいため、一般色覚者の方は特に赤緑系の色で劇的な色の見え方の変化を感じます。逆に、色弱の方は、明るさの変化が主であり、あまり色の変化を感じません。つまり、色の変化をあまり感じない、という事実によって、本フィルタが再現しようとしている色覚特性(に近い特性)を、使用者本人が既に有していることが自分自身でわかってしまうのです。ただし、個別型フィルタを用いた時の見え方から、色弱者においてP型(1型2色覚)やD型(2型2色覚)などの色覚タイプを知ること等の使い方は想定されていません。

何故色覚特性が他人にわかってしまうのか?

 特に未成年者(子ども)の場合に顕著ですが、上で述べたように一般色覚者にとって色の見え方の変化が大きいので、驚きの声を上げたり、色々な色を比較してみたり、という行動を取る場合が多いですし、「赤が見えなくなった」などの印象を口にすることも多いかと思います。その話を聞いたり、行動を観察したりすることによって、その方が一般色覚者(あるいはそれに近い)色覚特性を持っていることが他者に理解されます。
 逆に、色弱の方が使用されると「単なるサングラスみたい」とか「何故みんな騒いでるの?(暗くなるけど色は)何も変わらないのに」とかの印象を持たれる場合が多く見られます。その様な発言を伺いますと、その方の色覚特性が色弱であることが他者にも理解される、というわけです。
 色覚特性は個人の重要なプライバシーですので、教育目的で使用される場合なども含め、グループのある特定の方の色覚特性が、本人および保護者の明確な同意無く、みんなに明らかになるという事態は避けなければなりません。集団での使用にあたっては十分な配慮をお願いします。
 また、たとえ本同意事項に対する本人と保護者の同意があったとしても、例えば未成年者に対する教育現場などでは「色の見え方を立ってみんなに報告してください」という指導方法はやはり問題があります。また単に「色の見え方が変わらない人は黙っていて」という指導ですと、一般色覚者であるまわりの方の発言との対比からやはり色弱であること
がわかってしまいます。「色弱の人に配慮して、色の見え方が変わっても変わらなくても、見え方を口にしたり教えたりしないで」といった指導が望まれます。


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